株式会社の定款には、必ず記載しなければならない事項(絶対的記載事項)があります。さらに「相対的記載事項」や「任意的記載事項」についても考慮する必要があります。商業登記の基礎知識として、株式会社の定款記載項目をご紹介します。
絶対的記載事項(会社法第27条)
定款に必ず記載しなければならない事項であり、1つでも記載が欠けていると、定款そのものが無効となります。会社法で定められているのは次の項目です。
- 会社の目的
- 商号
- 本店の所在地
- 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
- 発起人の氏名または名称および住所
- 発行可能株式総数
発行可能株式総数については、定款認証時に記載する必要はありませんが、記載しなかった場合は会社設立(登記)までに定款を変更し、その定めを設ける必要があります。
相対的記載事項(会社法第28条・29条)
その記載がなくても定款が無効になるわけではありませんが、記載しない限り規則としては有効にならない項目です。相対的記載事項には次のようなものがあります。
- 株式の譲渡制限に関する定め
- 金銭以外の財産の出資(現物出資)
- 公告の方法
- 株式会社が負担する設立に関する費用
- 取締役などの任期の伸長
- 取締役会の招集通知期間の短縮
任意的記載事項
その記載がなくても定款は無効となりませんが、定款に記載しなくても規則として有効になる事項です。法律あるいは会社の本質に反しない限り、いかなる事項でも定めることが可能です。次のような項目を定款に盛り込むことで内容が明確になり、より拘束力を高めることができます。
- 事業年度
- 株主名簿の基準日
- 取締役、監査役などの役員数
- 株主総会に関する規定