会社設立手続

個人事業主から法人なりをする方、会社を経営しているが新たな会社を立ち上げたい方、サラリーマン会社員からフリーランスへの転身、副業のため、節税のため、会社を作るのは様々な理由がおありでしょう。

起業するためには、事前に必要な手続きをきちんと把握した上で準備に取り掛かることが大切です。会社設立の大まかな流れと、手続き上の注意点を押さえておきましょう。

ご不明な点がございましたら、どのようなことでも司法書士倉橋孝行事務所にご相談ください。

会社設立手続きの流れ

会社を立ち上げる際は、事前準備をしっかり行うことで、その後の手続きがスムーズに進みます。

会社設立手続きの大まかな流れは次のようになります。

  1. 会社設立準備
  2. 定款の作成
  3. 定款の認証
  4. 実質的支配者の申告
  5. 出資の払い込み
  6. 会社設立登記
  7. 開業の届出

会社設立準備

まず、会社を作るには、設立する会社の種類を決定しなければなりません。実務的には、設立される会社の種類は「株式会社」か「合同会社」に2種類があります。ちなみに「有限会社」の制度は廃止され、有限会社は設立できないこととなりました。有限会社から株式会社への移行の手続きが進められています。2種類の会社で内容面ではそれほど違いはございませんが、設立費用については、違いが出てきます。

株式会社

株式会社は、株主と取締役などの経営者から構成される会社組織です。現在、株主は1名以上、取締役も1名以上で、設立することができるので、株主兼取締役の場合、一人で会社を起こすことができます。この形態の会社を「マイクロ法人」と言ったりするそうです。「マイクロ法人」という言葉は、検索して初めて知りました。

取締役の任期は2年、定款で伸長することによって10年となります。合同会社は、役員の任期がないことと異なります。

会社設立についての実費は、現在、登録免許税15万円と電子定款認証等費用約52,000円(頁数や出資される財産の価額によって異なります)がかかり、司法書士、行政書士などの専門家に依頼すると別途報酬がかかります。

株式会社は、会計参与や会計監査人、取締役会、監査役会、委員会を設置でき、将来的に上場することができるなど、大規模な組織に対応していますが、あくまでも将来的な話になるかと思われます。

合同会社

合同会社は、有限責任社員で構成される会社組織です。昔の有限会社の制度を踏襲した会社形態であると言えます。有限責任である点で、株式会社と異なりませんが、基本的に出資者と経営者が一緒である点が株式会社と異なります。とはいっても実務的に大差はありません。

役員の任期はありません。この点株式会社と異なり、これはメリットとなります。また、業務執行社員とそうでない出資だけの社員の区分を設けて、一部の社員が、経営に携わらないようにすることもできます。

また、合同会社は社会的信用が株式会社に比べて少ないという意見がありますが、ほとんど変わらないと思っています。

会社設立についての実費は、現在、登録免許税6万円がかかり、司法書士、行政書士などの専門家に依頼すると別途報酬がかかります。設立手続きが格安であることも、合同会社のメリットです。

会社設立登記手続きには定款認証が要件でない点も、株式会社と異なります。

商号目的本店など

会社の種類の決定後、商号(会社名)を決めたり、事業計画を策定したり、本店となるオフィスを契約したり、資本金を集めたりと、様々な準備が必要になります。

商号が決まれば、会社の印鑑、ハンコ、スタンプ等を発注しても良いでしょう。印鑑が出来上がるまで、多少の時間がかかる場合がありので、早めに発注した方がよいかもしれません。会社の印鑑は、実印、銀行印、認印のおおむね3種類がありますが、予算を気にされる方は、とりあえず実印を作成すれば大丈夫です。また、本当に予算が厳しい方は、個人で使っている印鑑を会社の印鑑として使用することもできます。

また、金融機関の融資、助成金、補助金などの資金調達や軽減税制の確認なども大切です。法人成りをすると、事業について、今までは所得税を納めていたものが、法人税を納めることとなり、税務の面でも違いが出てきます。また、消費税についても個人と違いがあるようです。

税金を多く納めることになるか、少なく納めることになるか、また、決算月についても、事前に、税理士さんと相談した方がよいでしょう

以下は、株式会社設立の手続きを中心に解説をいたします。合同会社の作り方については、またの機会にご説明いたします。

定款の作成

定款の作成は、上記で決定した内容を紙に起こす作業になります。司法書士、行政書士などの専門家に依頼するとこの作業を任せることができます。実務的に、株式会社の定款の記載事項は、おおむね下記のとおりです。

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 公告の方法
  • 株式の譲渡制限に関する定め
  • その他株式関すること
  • 会社の設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名または名称および住所
  • 発行可能株式総数
  • 株主総会に関すること
  • 取締役等の任期の伸長
  • 事業年度

ご自分で定款を作成する場合は法務省や日本公証人連合会の様式を参考にしたり、「マネーフォワード(moneyforward)」や「freee(フリー)」などの作成サイトで作成される方もいらっしゃいます。ちなみに、「マネーフォワード(moneyforward)」や「freee(フリー)」は税務申告にも対応をしているようです。

当事務所でも、定款作成ソフトを掲載しておりますので、ぜひ、ご活用ください。ログイン登録などは必要ございません。

定款認証

定款を作成したら、公証人役場で認証を行います。株式会社を作るにはこの手続きが必須となります。また、設立する会社の本店によって、管轄する公証人役場が異なります。例えば、青森県内で会社を設立される場合、青森県内の公証人役場で認証を受ける必要があります。本店所在地が弘前市内であれば、弘前市、青森市、八戸市のいずれかにある公証人役場で認証を受けることとなります。現在、青森県内の公証人役場や上記3か所のみです。

電子定款を作成すれば費用の節約になります。ほとんどの専門家が電子定款に対応しています。

定款認証には、発起人の印鑑証明書を使用いたします。発起人とは、設立する株式会社の株主となる者のことです。

定款認証を自分で行うこともできなくはないですが、電子定款でなく紙の定款を作成された場合、認証時、上記認証費用にプラスして収入印紙代4万円がかかります。定款作成と認証のみ自分でやって登記は司法書士に頼むなどのやり方は、かえって費用がかかる場合もございます。

実質的支配者の申告

平成30年11月30日から、定款認証を受けるに際して、実質的支配者となるべき者の申告が義務付けられました。具体例をあげると、「総株式50%以上を保有する者は、私ですが、暴力団員等ではありませんよ。」といった具合の申告です。他にも様々なパターンがありますが、実質的に経営に携わる者が、暴力団員等でないことを表明する制度です。

もちろん、皆様は暴力団員等でないと思うので、平気だとは思いますが、設立後銀行で口座の開設の手続きを行う場合、この手続きを経て認証された定款や、申告受理及び認証証明書が必要となる場合が多いです。この書類が不足していると口座の開設に数週間かかるなど、面倒なことになる場合があります。

実質的支配者となるべき者の申告の様式はこちらです。

また、令和4年1月31日より、上記とほぼ同様の趣旨の制度である「実質的支配者リスト制度」が法務局で開始されることになっています。

出資の払い込み

原則、定款認証後、発起人が会社の原資となる資本金の払い込みを行うこととなっています。発起人とは設立後の会社の株主となる者のことです。

この払込みは、発起人代表者個人の通帳にお金を預けることになります。この通帳のコピーを登記手続きで提出することになるのですが、近年は、オンラインバンキングの出納の画面をコピーしたものに押印したものやデータに電子署名したものでもよく、柔軟な対応がなされてきています。

この払込は、実務上は、定款認証後でなくても、定款作成日後や発起人全員の合意書作成日以降であればよいとされています。

大切なことは、十分な運転資金を準備することです。見せ金などで手続きを進めることは絶対にやめた方がよいでしょう。

会社設立登記

上記手続きがすべて完了し次第、会社を設立するには、管轄の法務局で会社設立登記を申請いたします。この手続きは司法書士に代行代理を依頼することも可能です。会社設立日、創立日は、登記申請日となりますので、良い日などこだわりのある方は、日を選んで待って登記申請をするのも良いでしょう。

会社設立登記に必要な書類の一例は、下記のとおりです。

  • 登記申請書
  • 認証後の定款
  • 発起人の決定書
  • 設立時取締役及び設立時代表取締役の就任承諾書
  • 設立時取締役の印鑑証明書
  • 資本金の払込みがあったことを証する書面
  • 印鑑届出書

現在、青森県内では、会社設立登記に要する期間は、おおよそ1週間が目安です。

会社設立後

会社設立手続きが完了すると、はじめて、「登記事項証明書」や会社の「印鑑証明書」を取得することができます。

会社設立後、税務署への開業届や都道府県への届出、社会保険事務所へ健康保険・年金などの社会保険の届出などを皆様が行っているようです。詳しくは、税理士さんや社会保険労務士さんへ相談されると良いでしょう。

また、銀行へ行き銀行口座を開設することも忘れずに行いましょう。銀行口座の開設は、時間を要する場合もございますので、なるべく早めに手続きを行いましょう。

他に、挨拶状を出したり、挨拶状を出した方から頂いたお祝い・メッセージのお返しをしたりと、することは盛りだくさんです。

将来、何年も会社が長く継続すれば、創立記念日として記念品を作成したり、お祝いをする日がくることでしょう。

会社設立の注意点は?

まず、ご自身で書類を用意して手続きを行うことは可能ですが、用意すべき書類が多く、作成には大変時間がかかります。また、上記に記載したとおり、かえって余分な費用がかかる場合もございます。不安な場合は、登記の専門家である司法書士に代行代理を依頼するのも良い選択です。

次に、会社設立手続きにおいて、見落としがちな注意点をいくつかご紹介します。

会社以外の様々な法人

株式会社や合同会社のほかに、たくさんの法人があります。

一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、医療法人、NPO法人(非営利法人)、農事組合法人など会社以外に様々な法人形態がございます。本当に株式会社や合同会社で良いかよく検討した方が良いでしょう。

類似商号に要注意

同一商号・類似商号の事前調査を行わなければ、不正競争防止法に基づき、商号の使用差止請求を受ける場合があります。新会社法施行後も、類似商号の有無を調べる作業は必須です。また、読みにくい商号、複雑な商号は、さけましょう。英語やローマ字の商号は、アレルギーのある方もいらっしゃいます。定款に商号とは別に英語表記として、記載するのも良いでしょう。

事業目的は明確に

新会社法では、事業目的の包括的な記載が認められるようになりましたが、表現には従来通り注意が必要です。広く認知された語句を使い、誰でも明瞭に理解できるものでなければ受理されません。

明確かつ具体的な事業目的になるよう注意して作成しましょう。

ここでは、会社の目的について、具体例を挙げて説明いたします。

運送会社・軽貨物会社一般貨物運送業及び軽貨物運送業
不動産会社不動産の売買、賃貸の仲介斡旋業
人材紹介・派遣会社人材派遣業及び有料職業紹介業
資産管理会会社個人、会社の資産運用及び資産管理
建設業・土木土木工事業その他の建設業
電気工事会社一般電気工事の設計、施工、請負及び監理
リフォーム会社インテリアデイン・リフォーム工事
youtuberYouTubeにおける動画制作配信及び映像制作
fx・投資会社・資産運用会社外国為替証拠金取引業務と国内外の株式への投融資業

決算月は慎重な決定を

多くの会社が決算月を3月に設定していますが、決算時期について特に決まりはありません。

会社の決算月によって、とるべき経営戦略や節税対策も変わってきます。繁忙期の時期、資金繰り、税金などに配慮した上で慎重に決定しましょう。

当事務所の対応

当事務所では、株式会社や合同会社の設立はもちろん、近年増えつつある外国人の方の会社設立についても対応しております。申し訳ございませんが、海外法人の設立は承っておりません。

行政書士税理士各種士業と連携をして会社設立手続きを対応することも可能です。

ぜひ、司法書士倉橋孝行事務所をご利用ください。

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